美容業、小売業、飲食業以外でも業種を問わず、店舗の集客対策として利用されている身近な販促ツール「クーポン」。
自店でもクーポンを有効活用することで集客につなげたり、売上アップを狙いたい!とお考えの店舗オーナーも多いのではないでしょうか。
クーポンで効果的に集客しよう
クーポンは顧客にとってお店選びのきっかけになる集客ツールです。ただし、クーポンを活用して効果的に集客するためには、クーポンの特典が顧客にとって「魅力的」で「お得なもの」である必要があります。
また、店舗側にもしっかり利益が生み出せる特典内容かどうかもあわせて検討しましょう。
アイデア満載の特典で、おみせのファンを増やそう
- 効果が出やすい特典内容は、顧客が「もらって嬉しいクーポン」「使いたくなるクーポン」である
- 店舗の採算がとれ、利益を確保できる特典を設定しよう
- 自店ならではの特典で、他店との差別化を図ろう
クーポンの役割と効果
クーポンは店舗のアイデア次第でさまざまな役割や効果を発揮します。ここでは、主な役割と効果、クーポン事例を簡単にまとめてみたいと思います。
新規集客・リピーター集客
新規集客
本当に自分に合うお店やサービス、メニューなのかどうかをお得に見極めたい方向けのクーポンを考えてみましょう。新規来店のハードルを下げてくれて、お試し感覚で使えるクーポンがおすすめです。
リピーター集客
再来店集客の場合は、来店日や利用日の期限を設定したクーポンもよいでしょう。前回からの期間が空きすぎてお客様がお店のことを忘れてしまう前に、的確にアプローチすることが重要です。
顧客単価アップ
「クーポン」=「割引」というイメージがあるかもしれませんが、活用方法によっては、アップセルやクロスセル効果をもたらします。
アップセルとは、いつもより上位のサービスや商品を利用・購入してもらうことであり、クロスセルとは、いつも利用しているサービス・商品になにかをプラスして利用・購入してもらうことを指します。
ここでは顧客単価を引き上げるクーポン事例を下記にご紹介します。
アップセル
クロスセル
お得に利用したい顧客心理を刺激する
顧客にお得感を与えられるクーポンとはどのようなものでしょうか?
例えば、スーパーなどで毎週決まった曜日に一定額以上の商品を購入するとお得なクーポンを配布するとします。そのクーポンの中には、店舗が売りたい商品だけではなく、人気商品にも使えるクーポンを入れておきます。特典が魅力的であれば、そのクーポンを手に入れるために毎週通ってくれるリピーターを作り出すことも出来ます。
さらに会員証やポイントシステムなどを併用し、購入履歴などの顧客情報を取得すれば、ターゲットに合わせたマーケティングが可能となります。
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飲食店 クーポン集客事例
無料クーポン
利用者の立場から見ると「無料サービス」は魅力的なものといえます。無料特典を来店のきっかけにしてもらい、そのクーポンだけの利用では終わりそうにない特典内容を考えてみるとよいでしょう。
割引クーポン(○○円引き、〇%オフ)
一般的な割引サービスです。「利用者は増えたけれど利益がでない」ということがないように注意しましょう。
リピーター割引クーポン
何度も通ってくれるリピーター客向けのクーポンです。来店回数やご利用金額に応じたクーポンを発行することで、再来店を促進し、最終的にはロイヤルカスタマー(優良顧客)の育成へとつながっていくでしょう。
「何度も足繁く通ってくれている顧客だからこそ受けられる特別なサービス」を用意すれば、顧客満足度アップも間違いなしです。
選べるクーポン
お店が選んだ一品限定でサービスする方法もありますが、人の好みによってはお得に感じられない、ということもあるでしょう。そういった場合は、たとえば、利用者が好きなものに特典を使える、というクーポンを発行してみるという方法もあります。
また、女性限定、学生限定など、顧客属性に合わせた特典で集客効果を高めましょう。もし、店舗で顧客管理を行っている場合は、全てのクーポンを一律に送るのではなく、顧客の属性に合ったクーポンを送るようにしましょう。
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美容業 クーポン集客事例
初回限定割引(お試し割引)クーポン
美容室やエステ、リラクゼーションサロンなどで、新規集客のために使われている一般的なクーポンです。
この場合、初回割引料金が2回目以降の料金とかなり違う場合は注意が必要です。
初回割引により一時的な新規客の集客数は増えますが、ただ単にお得に良いサービスを受けてみたいだけ、という顧客は一度の利用で終わってしまう可能性があります。サービスや技術重視の新規客の場合は問題ありませんが、価格重視の新規客だと、2回目以降も使えるお得なサービスがないと長期的な優良顧客にはなりにくい傾向があります。
リピーター割引クーポン
リピート回数または利用金額に応じて割引率を決めたり、来店状況に応じて発行するクーポンです。主な目的としては、顧客がリピートする理由を作ることです。リピートすればするだけお得になる特典や、店舗で顧客管理を行っている場合は「○○エリアにお住まいの方限定」「前回来店時より〇日以上の人」など、ターゲットを絞り込んで配信するとよいでしょう。
ペア割クーポン・グループ割クーポン
2人または2人以上でまとめて予約すると〇%オフ、という形で、一度に複数人の予約を得る手法です。顧客も一人で予約するときよりお得に利用できますし、店舗側も一度に複数人数分の売り上げを確保することができます。
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O2Oアプリとクーポン
クーポンには、チラシ、メルマガ、Webサイト、SNS、O2Oアプリなどによる配信方法があります。
チラシ、Webサイト、SNSなどで配信している場合に、顧客が配信したクーポンに気が付き、内容をきちんと見てくれているのかが不安、という店舗オーナーさんも多いのではないでしょうか。O2Oアプリでのクーポン配信なら、スマホ画面に表示されるプッシュ通知をつけてダイレクトに送信できるので、顧客に気づいてもらいやすいのが特徴です。
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ここで、O2Oアプリのクーポンとそれ以外(Facebook、Twitter、LINE公式アカウント、メルマガおよびチラシなどの紙のクーポン)の場合について比較してみましょう。
Twitter、Facebook、LINE公式アカウントなどは利用者が多いことがメリットですが、情報量が多いため、せっかく配信した情報がタイムラインに埋もれてしまうことがあります。O2Oアプリの場合は自店の情報のみが配信されるので、顧客側の見落としが少なくなるでしょう。
また、コストや準備にかかる時間と手間の面についても考えてみましょう。チラシクーポンの場合は地域密着型で配布することが可能ですが、印刷コストがかかったり、配布されるまでにある程度の日数を必要とします。一方O2Oアプリの場合は思い立った時にターゲットを絞ってすぐに配信することが出来ます(※1)が、スマホやアプリへの親和性が低い年代へのアプローチが難しいことがあります。
それぞれのメリット、デメリットを考慮しながら、自店にベストな方法を選択してみましょう。
※1:一般的なO2Oアプリの機能です。アプリによっては使用できないものもあります。
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アプリクーポンの種類と特徴 ~GMOおみせアプリ~
O2Oアプリで利用できるクーポンはアプリの種類によって異なりますが、ここでは弊社で提供している「GMOおみせアプリ」のクーポン機能を例にあげてご紹介していきます。
顧客の属性などにあわせた多彩な種類のクーポンをプッシュ通知を付けて定期的に配信すれば、おみせのことを思い出してもらえて再来店の促進効果も期待できます。
インストールクーポン
アプリインストール時に自動配信されるクーポンです。ダウンロード促進に効果的です。
店舗側で継続的なアプローチを行うため「アプリをインストールするのがちょっと面倒・・・」と思っている新規客が「アプリを入れてみてもいいかな?」と思ってもらえるような特典を準備しましょう。
誕生日クーポン
ユーザーがアプリに誕生日を登録すると、誕生月に特典クーポンが自動配信されます。年1回のスペシャルな特典を用意してみるのもよいでしょう。
友達紹介クーポン
まず、アプリの「友達紹介」機能からSNSでアプリについてシェアします。次に、その記事を見た人が該当アプリをダウンロードし、「紹介コード」を入力してアプリをインストールします。その後、自動的に特典クーポンが発行されます。
通常クーポン
一般的なクーポンです。店舗側の好きなタイミングでいつでも顧客にクーポンを配信できるので便利です。
配信のタイミングは店舗によりさまざまだと思いますが、どうしたらよいか迷っている場合は、まず「今月のクーポン」「今週のクーポン」という形で、決まった時期に定期的に配信してみるとよいでしょう。顧客に定期的にアプリでお店の情報を見てもらえる可能性が高まります。
販促クーポン(スクラッチクーポン)
スクラッチ型のクーポンです。「当たり」が表示されるので、お正月などに「お年玉クーポン」として配信するなど、イベントと絡める形で活用してもよいでしょう。ゲーム感覚で楽しんでもらえるクーポンです。
スタンプ満了クーポン
来店時にスタンプを発行している場合、アプリ上のスタンプカードがいっぱいになると、自動的に配信される特典クーポンです。顧客を利用状況に応じてランク分け出来る「ランクアップ機能」を併用している場合は、顧客ランク別に特典を設定できます。リピーターへの感謝の気持ちと特別感を演出してみましょう。
クーポン集客:売上と利益の計算例
クーポンを発行する際には、「利益が出せるクーポン」かどうかについて検討する必要があります。
ここでは、ある中華料理店の例をあげて考えてみたいと思います。
一人当たりの平均顧客単価が800円、原価 200円(原価率 25%)、利益 600円、平均来店数70名/日とします。本来は人件費なども考慮しないといけないのですが、今回はわかりやすくするため省いています。
売上は「顧客単価 × 来店顧客数 × 日数」で計算できます。
上述の計算式に照らし合わせてみると、月間売り上げは、800円×70人×30日=1,680,000円です。
また、月間の利益は、「顧客あたりの利益 × 1日あたりの来店顧客数 × 日数」で計算すると、600円×70名×30日= 1,260,000円(126万円)の利益があることになります。
今回、この中華料理店で「1日先着限定100名に100円オフ」のクーポンを適用することにしました。
今回クーポンで集客した結果、100名/日が来店しました。クーポンにより100円オフなので、通常利益の600円から100円引いた500円を今回の一人当たりの利益とします。
その場合、500円×100名×30日=1,500,000となり、一人当たりの利益は減少したにも関わらず、月間150万円の利益を上げることが出来ました。
このように設定する特典の内容によっては集客効果を発揮し、クーポン発行により割引して利益が減少するのではなく、トータルで見ると売上アップにつなげることも可能です。
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クーポンの注意点
クーポンを活用する上での注意点についてもお話していきたいと思います。
まず第一に、クーポンの利用率を高めるために、期限のないクーポンではなく有効期限のあるクーポンを配信することをオススメします。有効期限を設定することで、利用者に「もうすぐ期限切れになるからその前に行こう!」と思ってもらえるきっかけになります。
次に、クーポンは顧客の注意を引くための有効なツールですが、あまり頻繁に発行しすぎると「いつでも割引になっているお店」という認識が付いてしまうことがあります。逆にクーポンがない時は利用してくれなくなる可能性もでてきます。「いつでも安くなるなら今でなくても良い」と思われるのを防ぐためにも、クーポンを配信するタイミングや回数についてはしっかり検討しましょう。
また、クーポン利用時の条件は、誤解を招かないように分かりやすく詳細を記載しましょう。
最後に、クーポンを利用できる対象が、新規顧客、リピーター客のいずれかに偏っていないかもチェックしましょう。もしかしたら、クーポンで来店してくれた新規顧客は2回目以降に使える魅力的なクーポンが見つからないために、ほかの店舗が発行するクーポンに惹かれて次回は来店してくれないかもしれません。
店舗運営を安定させるためには新規集客だけでなく、リピーター集客がとても重要です。2回目以降の来店でも「これがあるからまた来てみたい」と思わせられるようなクーポンを用意し、いかにリピーターとして囲い込めるかがポイントです。
まとめ
今回は集客や販促に効果的なクーポンをうまく使いこなすために役立ちそうなクーポン事例を挙げてご説明させていただきました。
下記はメールマガジン、DM/ハガキ、弊社のO2Oアプリ「GMOおみせアプリ」を比較した表です。クーポンを配信する方法はさまざまありますので、店舗の規模や特徴などにあわせて最適なツールを選んでみると良いでしょう。
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