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顧客接点(タッチポイント)とは?接点強化の目的や方法・事例を紹介

その背景には顧客接点の多様化があるといえるでしょう。この記事では、顧客接点の意味や、なぜ強化をしなくてはいけないのか、どのように強化するべきなのかを解説します。
≪この記事はこんな方にオススメです≫
- 顧客接点の強化が大切と言われる理由がわからない方 。
- 顧客接点の強化に向けて何をすればいいかわからない方 。
- 顧客接点の強化の事例を知りたい方。
1.顧客接点とは
そもそも顧客接点とは、「タッチポイント」とも呼ばれており、企業や店舗が顧客と直接関わる場所のことを指します。かつての顧客接点といえば、営業職や代理店が代表的でした。
彼らが顧客に対して商品やサービスを訴求し、購入や契約へとつなげていたのです。
しかし、時代とともに顧客接点の数は増えてきています。インターネットにおけるホームページ、SNSなども顧客接点に含まれるでしょう。また、コールセンターもスタッフと顧客が直接に会話を交わすサービスです。
企業や店舗は顧客接点から、できる限り多くの顧客に関する情報を収集しなければなりません。そのうえで、商品やサービスにフィードバックし、さらなる質向上を目指すことが求められています。
2.顧客接点を強化する目的
なぜ顧客接点を強化しなければいけないのかというと、「顧客のニーズを把握する」という目的があるからです。企業や店舗の売上を増やすには、需要を踏まえた供給を行わなくてはいけません。
顧客の率直な意見が聞ける顧客接点は、ニーズを分析できる絶好の機会なのです。また、顧客接点は企業と顧客の関係を維持するためにも役立ちます。
両者が固い関係性で結ばれている以上、微妙なニーズの変化にも対応しやすくなるでしょう。そして、顧客一人ひとりのニーズの違いも正確に理解できます。
現代社会では、顧客のニーズも枝分かれしています。さまざまなジャンルの客層に合わせて、的確な商品やサービスを用意できるようになれば、企業成長が促進されるでしょう。
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3.顧客接点を強化する業務
日常的な業務を工夫すれば、顧客接点を強化することは可能です。以下、顧客接点の強化につながる業務を紹介します。
3-1.フロントエンド業務
顧客接点を強化するためのポイントとして、「対応の質向上」が挙げられます。顧客と対面したり、会話したりする際の対応を丁寧かつスムーズに行えば、必要な情報を的確に聞き出せます。
また、顧客から企業への好印象にもつながるでしょう。こうした企業が、顧客に対応するための仕事を「フロントエンド業務」と呼びます。フロントエンド業務の代表例は、コールセンターなどの施設です。ただ、Eメールによってやりとりを重ねるインターネットの「問い合わせ」もフロントエンド業務の一環だといえるでしょう。
そのほか、FacebookやLINEなどのSNSも顧客とコミュニケーションをとれる貴重なツールです。SNSは、すでに一般化しているので、同時代の顧客に合わせて接点を強化することも重要です。
3-2.バックエンド業務
フロントエンド業務と同じく、バックエンド業務も顧客接点強化のためには大切な仕事です。バックエンド業務は、データの分析、情報の管理などを行います。
顧客接点でのコミュニケーションを円滑にするためには、バックエンド業務の精度も高めていかなくてはいけません。情報の蓄積や分析が正しく行われれば、フロントエンド業務をサポートできます。顧客のニーズが判明するので、ヒット商品やサービスを生み出しやすくなるでしょう。
バックエンド業務で求められているのは、過去の顧客の購買や利用行動の解析です。また、リアルタイムの顧客の属性情報を掘り下げていき、それぞれの消費傾向を分類していくことも大切です。
4.顧客接点の多様化と企業の課題
インフラ整備とデバイスの急速な浸透により、顧客接点の多様化が進みました。
たとえば、Webサイトや電話はもちろん、メールやSNSなども顧客接点の一部です。また、無料で導入できるチャットサービスも多く、接点の増加に影響しています。
顧客接点が枝分かれしている時代では、新たなトラブルも生まれてきました。Web予約システムなどで飲食店の予約が便利になったのはいいものの、後に電話でキャンセルしてくる顧客の対応に追われるといった問題も出ています。
企業にできる工夫は、媒体に関係なく顧客が一定のサービスを受けられる態勢を整えることでしょう。そのために、すべての販売経路で情報共有を行うことが大切です。
5.顧客接点の高度化に向けた3ステップ
実際に顧客接点を高度化しようと考えたとき、企業は慎重にプロセスを進めなくてはなりません。特に、3つのステップを意識してみましょう。
5-1.ステップ1:業務の効率化による人的リソース不足の解消
顧客接点を高度化するには、人的リソースを確保しなければいけません。なぜなら、人手、能力ともに十分でないと、顧客接点で必要な情報を収集できないからです。
しかし、実際には人的リソース不足に悩まされている組織はたくさんあります。つまり、「業務を効率化して人的リソース不足を解消すること」が第1のステップです。業務効率化の方法としては、管理の一元化や自動ガイダンス導入などが挙げられます。
システム化できる部分は、システムに任せ、人間でないとできない業務だけをスタッフに振ることがコツです。
このように、業務効率化を推し進めていけば、人的リソース不足は解消されて顧客満足度向上にもつながっていくでしょう。
5-2.ステップ2:リアルタイムでの対応による消費活動の促進
第2ステップは、「消費活動の促進」です。そのためには、リアルタイムでの顧客対応と結びつけていかなくてはいけません。
たとえば、顧客から商品の発注が来たとき、対応が後手にまわってしまうと不信感を招いてしまいます。
しかし、Web上で商品の仕上がり具合を確認できるようなサービスを導入しておけば、リアルタイムで進捗を見てもらえます。
また、消費活動を促せるだけでなく、同時に顧客満足度も高められるでしょう。
5-3.ステップ3:細やかな対応による顧客満足度の向上
第3ステップは、「細やかな対応で顧客満足度を高めること」です。
その際、活用するべきなのが顧客に関するデータです。顧客とのタッチポイントを一つ一つチェックし、購買履歴を分析しましょう。
そうすることで、顧客を属性で分類できるようになります。属性に合わせて訴求する商品やサービスを変えていけば、タイムリーな提案として受け入れられやすくなるでしょう。
また、顧客満足度のためには適度に機械を取り入れることも大切です。簡単な電話対応なら自動音声に任せるなどして、作業を手軽にしていきましょう。
そのうえで、より細やかな対応が求められる部分は人が引き受け、顧客満足度を高めていくようにします。
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6.顧客接点の高度化の事例
実際に企業が行ってきた顧客接点強化の施策を参考にすることも重要です。以下、顧客接点の高度化に関する成功事例です。
6-1.ユニクロ
顧客接点をうまく活用して、リピーターとの関係を深めているのがユニクロです。
ライバルとなる同業他社に、顧客を奪われないための囲い込みが成功しているといえるでしょう。ユニクロは、専用アプリをリリースして顧客に有益な情報を配信し続けています。「マイストアニュース」と呼ばれる情報の数々は、かなりの頻度でユーザーへと送られてきます。
内容は商品のお得情報のほか、コーディネートについての提案を織り交ぜるなどバリエーション豊かです。価格で訴求するだけでなく、商品そのものの良さも伝えており、幅広い客層に対応しています。ファッション関連の情報を知ることで、顧客は思わず店舗に行きたくなるような仕掛けです。
そのほか、アプリにはプッシュ通知もそなわっており、新情報が配信されればユーザーが気づく仕組みです。また、ユニクロは自社のブランド能力も最大限に利用しています。圧倒的な知名度を誇る企業だけに、顧客はアプリをインストールするまでの抵抗感が薄く、気軽に利用開始できます。
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6-2.アコム
消費者金融は、顧客接点の重要性が非常に高い業種です。借入や返済の相談が頻繁に行われるうえ、企業にとっては利益となる借入枠増額なども顧客接点から提案できるからです。
大手企業であるアコムは、かつてコンタクトセンターで顧客からの申し込みを受け付け、サービスセンターでATMなどのサポートを行っていました。2つのサービスは分離しており、それぞれに違った体制で運営されていたのです。そのことで、企業内の情報共有が遅れ、顧客接点を高度化できているとはいいがたい状況が続いていました。
しかし、アコムはシステムを統合し、データの一元管理へと踏み切ったことで部門間の連携がスムーズになりました。その結果、情報処理をはじめとする社内業務が大幅に効率化されていきます。
顧客一人あたりの対応時間が短くなった分、受信数が増えて利益も伸びていきました。アコムの取り組みは、顧客接点ではサービス内容はもちろん、どれだけ無駄な手間を省けるかも鍵を握っているのだと示しています。
6-3.カゴメ
調味料をはじめとした食品の製造、販売で知られるカゴメも顧客接点の高度化に成功しています。カゴメは顧客ロイヤルティ向上を目的として顧客情報管理システムと連携したコールセンター業務を立ち上げました。
ロイヤルティとは、顧客から企業への強い愛着を意味する言葉です。企業と顧客が強い信頼関係で結ばれるようになれば、一人の顧客が生涯にわたって企業に利益をもたらしてくれます。また、家族や友人に自主的に商品を勧めてくれるなどの行動も期待できます。
カゴメのコールセンターでは、オペレーター判断によって長年の顧客に商品をプレゼントするイベントを開催しました。顧客本人の誕生日や子供の入学式などに合わせて、オペレーターの権限で商品を贈るようにしたのです。
この施策は、企業と顧客の間に強い絆を生み出しました。そして、斬新なアイディアが社会的にも高く評価され、コンタクトセンター・アワード2017ストラテジー部門賞を受賞しています。
顧客接点は、顧客が企業に忠誠心を抱くきっかけを与えられるポイントなのだといえるでしょう。
顧客接点強化のポイントを押さえ顧客との良好な関係を築こう
昨今では顧客接点のあり方が多様化しており、企業は顧客との関係性構築にますます注力しなくてはいけません。
この記事の内容を、顧客接点強化に役立てて売上増加に結びつけましょう。
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