しかし、カスタマーエンゲージメントをよく理解せずに施策を実施している企業も多いのではないでしょうか。
ここでは、カスタマーエンゲージメントとは何かに加え、カスタマーエンゲージメントの導入事例についても解説します。
カスタマーエンゲージメントとは?
カスタマーエンゲージメントとは、企業と顧客の信頼関係のことを言います。「このメーカーなら安心」と思って、その企業に信頼を置いて、他のメーカーと比較せずに商品を購入したりサービスを利用したりする経験はないでしょうか。このようなユーザーとの信頼関係こそがカスタマーエンゲージメントです。
マーケティングではパレートの法則(2:8の法則)と言って、売上の8割が2割の優良顧客によって決まる考え方が存在します。もちろん新規顧客の開拓も大切ですが、安定して高い利益を得るためには優良顧客の育成が必要不可欠なのです。そこで、現代ではカスタマーエンゲージメントを意識したマーケティング活動が高い注目を浴びています。
カスタマーエンゲージメントを獲得するには?
それでは、カスタマーエンゲージメントを獲得するためにはどんな施策が必要なのでしょうか。獲得のためのポイント3点について解説します。
顧客ごとに適したマーケティング活動を実施する
現代では顧客それぞれに適したマーケティング活動が求められています。
現代ではマーケティング活動に役立つツールも充実しており、パーソナライズが簡単にできるようになっています。パーソナライズをしっかり行えば、顧客は「自分にのために接客をしてくれている」と認識し、カスタマーエンゲージメントを高められるでしょう。
カスタマージャーニーマップで顧客との接点を見直す
カスタマーエンゲージメントの向上には、顧客との接点ごとに良い体験を与えて、ユーザーからの信頼を積み上げていく必要があります。
そこで大切なのが、顧客との接点を全て洗い出し、それぞれの接点で良質な体験を与えることです。しかし、顧客との接点はたくさんありすぎて全てを洗い出すのが難しいでしょう。そんな場面で使うのが、顧客がサービスを知ってから商品の購入に至るまでの流れを旅に例えたカスタマージャーニーマップです。

カスタマージャーニーマップを使うことで、接点ごとの顧客の行動だけでなく、そのときの心理状態も整理することができます。カスタマージャーニーマップは顧客がサービスに対して持っている良い感情だけでなく、不便さなどマイナスな感情も洗い出せるので、サービス改善に役立つでしょう。
NPSを用いて現状を把握する
カスタマーエンゲージメントを把握するためには、まず「現段階でどれくらいの人が企業サイトを訪れているか」「サービスをリピートしているか」などを確認しなければいけません。ここで最も重視すべきなのが、顧客がどれだけ企業に対して愛着を持っているかの示準である顧客ロイヤルティ(顧客ロイヤリティ)です。
顧客ロイヤルティは顧客推奨度調査/ネット・プロモーター・スコア(NPS)という、顧客に対して自社の商品を周りに紹介したいかなど質問するアンケート形式の調査で把握します。この調査で自社に対して批判的な感情を持っている人はどんな部分を批判しているのか、逆に自社のどんなサービスが好感を持たれているのかを把握し、改善していきましょう。
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カスタマーエンゲージメントの事例2選
それでは、カスタマーエンゲージメントを強化するためにはどんな施策が良いのでしょうか。ここではカスタマーエンゲージメント向上に成功した事例を2つ紹介します。
大手コーヒーチェーン店
大手コーヒーチェーン店では、バリスタを常駐させ、質の良いコーヒーを提供するだけでなく、居心地の良い空間づくりにも注力することで他社との差別化に成功しています。
この際、オシャレかつ居心地の良い空間を作り上げることで、「オシャレな空間で作業をしたい、本を読んでリラックスしたい」という層の信頼・帰属意識を獲得し、コーヒーチェーン店としてのブランド価値を確立させました。
大手靴ネット販売会社
アメリカの大手靴ネット販売会社では、注文してから顧客の手に商品が届くまでのスピードに重点を置くことで、カスタマーエンゲージメントの強化に成功しています。
インターネットショッピングだと注文から商品が手に届くまで数日、長くて1ヶ月の時間を要するのが一般的です。そこでサービス開始当時は珍しかった送料無料かつ最速で翌日到着のサービスを実施し、困ったときにすぐに商品が手に入ることからユーザーの信頼を獲得し、インターネット販売業が難しいと言われるアメリカで成功を収めました。
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カスタマーエンゲージメント獲得で愛されるサービスに成長!
ここまでカスタマーエンゲージメントの概要や獲得手法、事例についてご紹介してきました。
マーケティングにおける手法や戦略は日々アップデートされ、その時々にあったものを分析、選択し実行していく必要があります。
しかし、今も昔も「お客様の声」は戦略を立案するための要素として極めて重要な部分を占めていることに変わりありません。特にインターネットが普及した今、尚更それらが重要な要素となっています。
顧客との信頼関係も良い方向にアップデートし、自社サービスのマーケティング活動に役立てていきたいものです。
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