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仕事やマーケティングで「自分ごと化」を実現するには?

それくらい、自分のこととして当事者の意識をもちながら仕事に取り組む姿勢が重要視されています。
しかし「自分ごと化」はそれほど簡単ではありません。
実際に自分ごと化をちゃんと実行できているビジネスパーソンは少ないのではないでしょうか。
逆にいえば、自分ごと化ができれば他の方との差をつけることができます!
今回は仕事の場面で「自分ごと化」を実現するコツや、マーケティングに「自分ごと化」を取り入れる方法について紹介します。
自分ごと化とは
「自分ごと化」というのは、「対象の物事を、自分のこととして捉えること」です。
つまり当事者意識をもつということですね。
言葉そのままの意味ではあるのですが、この「自分ごと化」というのは、なかなか難しいものです。
恐らく今の世の中、9割くらいの方は当事者意識をもって仕事していないのではないでしょうか。
「自分ごと化」が本当にできるようになるためには、どのくらい深く「自分ごと化」できているか、という「自分ごと化のレベル」も大きく関係してくるからです。
分かりやすい例を紹介しましょう。
テレビの情報番組で、「肥満は身体に悪い。心筋梗塞のリスクを高める」という内容が放送されていたとします。
それを見て、「ああ、痩せなきゃなあ」と思う人はかなりの数いるのではないでしょうか。
これは、自分が肥満であることを認識している、つまりは「自分ごと」として捉えていることを示しています。
ところが、そこから実際にダイエットをして痩せようとする人は、おそらくそれほど多くはないでしょう。
「痩せなきゃなあ」と思いつつ、実際にはそのための努力をしないというのは、「自分ごと化のレベル」が低いからなのです。
こうした人の中には、健康診断で良くない数値が出て医師から注意を受けたとしても、まだ生活改善しない人もいるでしょう。
では、実際に心筋梗塞で倒れたとしたらどうでしょうか。
おそらくその後から必死になって痩せようとするのではないでしょうか。
その人の場合、倒れた時点でようやく痩せることの緊急度が高まり、本当に「自分ごと化」することができたのです。
このように外部的な事象に左右されることなく「自分ごと化」を実現するためには、自ら「自分ごと化のレベル」を上げる事が必要になります。
マーケティングでの活用事例
「自分ごと化」はマーケティングのシーンで活用することも可能です。
以下で活用方法について具体的に紹介していきます。
自分ごと化:活用のメリット
まず述べておきたいのは、マーケティングにおける「自分ごと化」の場合、「ユーザー」に商品やサービスを自分のこととして捉えてもらう、という意味になります。
では、マーケティングの場面で「自分ごと化」を意識するメリットは何でしょうか。
そのメリットは、商品やサービスの売り上げの向上が期待できるという点です。
従来であれば、多くの一般大衆を一斉にターゲットとして、テレビやラジオなどでCMを流せば、モノが売れる時代でした。
このようなマーケティング手法はマス・マーケティングと呼ばれています。
一方で近年は、インターネットの普及などにより、情報やモノがいつでもどこにでも大量に溢れている時代です。
ユーザーが興味を示す対象も分散化しているため、企業は売り上げを伸ばすために四苦八苦しています。
しかしこのような状況でも、ユーザーに商品やサービスを「自分ごと」として捉えてもらうことに成功すれば、売り上げを伸ばすことが可能になるのです。
マス・マーケティングに対して、パーソナル・マーケティングという言葉がありますが、これは消費者1人1人に対する個別マーケティングのことです。
「自分ごと化」とパーソナル・マーケティングは、ほぼ同じ意味と考えて良いでしょう。
事例1:タグの分析でユーザーの要望を把握
商品やサービスが売れた時に「何が売れたのか」ということは分かっても、「なぜそれがユーザーに選ばれたのか」ということまでは、なかなか知る機会がありません。
しかしそれを知るためのヒントとなるのが、Instagramで使われているハッシュタグやSNSの投稿です。
例えば、ある化粧品メーカーが新色の赤い口紅を発表したところ、かなりの売り上げを上げたとします。ここで購入したユーザーのSNSを分析して、「40代」のタグが多くついていたとしましょう。
すると、結果として、その新色の赤い口紅は40代の女性に好まれる色だという事が分かり、その情報を次作にも活かすことができます。
また、例えば「メイク大好き」というタグがついていれば、単に新作だから購入したのかもしれません。
このようにタグを分析することで、年齢や性別を超えたユーザーの個性までが分かり、「自分ごと化」マーケティングに活かすことができます。
事例2:ユーザーの共感を呼ぶテーマ
前述の赤い口紅の例で、「40代の女性の好みの色が分かったから、次作もこのような色の口紅を作ろう」というのは、直接的な活用方法です。
しかし、タグ分析からもう一歩踏み込み、ユーザーの共感を呼ぶようなテーマを設定することでも、「自分ごと化」を促すことができます。
例えば、「40代女性=忙しい」ということが推測できます。
そこで、「忙しい女性向けの、何度も塗りなおさなくても綺麗を保てる口紅」をテーマに新作を作れば、売り上げを上げることができるかもしれません。
事例3:リアルな体験を提供
SNSの投稿が注目を集めやすい近年ですが、だからと言ってユーザーがリアルな体験を求めていないわけではありません。
「自分ごと化」のために、リアルな体験に勝るものはないのです。
また、SNSが盛んな時代だからこそ、実際の体験を提供すれば内容がすぐに拡散して、宣伝効果も大きくなります。セミナーや試食会、試用など、様々なイベントを提供しましょう。
その際には事例1、2で述べたように、ユーザーの共感を呼ぶようなテーマを設定すると、さらに効果を上げることができます。
実例から学んだこと
ここまで述べさせていただいた3つの事例は、実は私自身顧客と向き合う仕事に従事してきたからこそお伝えできるリアルなことです。
私は一ヶ月に30件以上の顧客と触れ合うコンサルティング業務に従事しています。
正直新人のころは、「自分ごと化」があまり上手くできていなかったという反省ばかりの毎日が続いていました。
業務に忙殺され、様々な顧客の要望を自分ごとではなく他人ごととして捉えていたのだと思います。
そこで自分ごと化の大切さに気づき、当時おろそかにしていた部分を見直しました。
要望を汲み、共感をつくり、リアルな体験を提供することで自分ごと化を実現していき、それが次第に結果につながっていくことも多くなりました。
ようやく顧客の業績にも貢献することができるようになったのです。
もう少し、私自身が経験した「自分ごと化」の活用のポイントを詳しくお伝えしていきます。
仕事での活用事例
私のように、仕事の場面で「自分ごと化」を実現すると、会社や働くことに対して満足感が増し、成果が出やすくなります。
近年はワークライフバランスが推奨されてもいますから、「自分ごと化」を上手く活用して仕事の効率や成果を上げていきたいものです。
自分ごと化:活用のポイント
最初に触れたように、「自分ごと化」を実現するためには、「自分ごと化のレベル」を上げることが大切です。
どれだけ「自分ごと化」して仕事にのぞめるかで、自分のレベルはもちろん、相手のレベルも飛躍的に上昇させることが出来るんです。
以下では、上司が部下に対して「自分ごと化のレベル」を上げさせるための方法をいくつか紹介しますが、基本的には部下の主体性や個性を認めるということがポイントになります。
事例1:なぜその人に任せるのかを伝える
人は誰しも「承認欲求」があります。
つまり、「自分ならでは」の部分を認めてもらいたいのです。
他の人よりも優れていると認められる優越感に人間は弱いです。
仕事を部下に任せる際に、何も言わずに依頼するのではなく、「○○だから、あなたに任せたい」ということを伝えてみると、部下も仕事を「自分ごと」として捉えやすくなります。
理由はできるだけ具体的に言うことがポイントです。例えば、「あなたはExcel処理が早いから」、「ミスがないから」などです。
ちょっとしたことでも人はほめられると嬉しいものです。
事例2:現在やっている業務の目的を教える
何のためにやっているのか分からない業務ほど、主体性や効率を奪うものはありません。
現在の業務は何のために行っているのか、最終的にはどこにゴールがあるのかを明確にすることで、自然と部下の責任感や主体性が育ちます。
場合によっては、そのゴールに到達するためのより効果的な方法を、部下が発見してくれるかもしれません。
事例3:仕事を通してどのような人間になりたいのかをイメージさせる
仕事とプライベートを全く切り離している人が最近では増えています。しかし、仕事に費やす時間はプライベートよりも圧倒的に多いことが大半です。
また、やはり仕事にはその人の人間性が現れますし、仕事を通して作られる人間性もあるでしょう。
ですから、仕事を通してどのような人間になりたいのかを部下にイメージさせると、金銭的なものとは違う、より大きな目標を持ってもらうことができます。
その結果、部下の仕事に対する責任感が増し、「自分ごと化のレベル」も上がります。
まとめ
プライベートにおける自分ごと化と、マーケティングにおける自分ごと化は少し意味合いが異なってきます。
マーケティングにおける自分ごと化は、これまで説明させていただいたように、遂行しなくてはならない業務に対してプラスな面を大きくもたらしてくれますので実践できるように心がけてみましょう。